区分所有建物の瑕疵の法的責任について法制度の見直しを求めるアピール

 2021年10月16日、大阪市内において、欠陥住宅全国連絡協議会(欠陥住宅全国ネット)の第50回全国大会が開催され、参加者109名の総意により以下のアピールが採択されました。(弁護士〔大阪〕 三浦直樹)

区分所有建物の瑕疵の法的責任について法制度の見直しを求めるアピール

1 区分所有建物における瑕疵担保責任追及における原告適格の問題

 2002年(平成14年)の区分所有法改正により、マンションの管理者に「共用部分等について生じた損害賠償金」に関する任意的訴訟担当としての訴訟追行権(当事者適格)が認められた(同法26条4項)。ところが、東京地裁平成28年7月29日判決は、区分所有法26条4項は『区分所有者全員のために』と解釈すべきであり、各区分所有者に個別的に発生し帰属する請求権に係る訴えについては、区分所有者全員に当該請求権がそれぞれ帰属し、管理者が区分所有者全員を代理できる場合に限って、規約又は集会の決議により、管理者が区分所有者全員(規約の設定又は集会の決議における反対者を含む。)の利益のために訴訟追行をすることを認めたものという解釈に立って、区分所有権の転得者は売主から債権譲渡を受けない・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。