先物取引被害全国研究会の取組み

同研究会代表幹事 弁護士(京都) 加藤進一郎

1 先物取引被害全国研究会の活動

 先物取引被害全国研究会は、商品先物取引被害を中心とする投資取引被害の救済を行う弁護士で構成される研究会です。昭和57年3月に第1回大会が開催され、近時は年2回のペースで大会を開催し、令和3年9月に第85回大会が開催されました。

 投資取引被害救済のためのノウハウを研究発表するほか、研究者の先生方からご講演をいただいたり、法制度の新設・改正の動きを追いかけたり、担当事件の判決を報告したりすることで会員同士が研鑽を図っています。各会員が担当する個別の事件救済活動のほか、意見書を発出するなどして消費者団体として立法運動にも関与しています。

 また、後記のとおり雑誌や裁判例集の発行も行っております。

2 商品先物取引被害

(1)統計データ

 日本先物振興協会のホームページに掲載されている統計データは令和元年5月で更新が止まってしまっていますが、平成30年までのデータで見ると、出来高・取組高・預かり証拠金・商先業者数・外務員数・委託手数料額はいずれもピーク時の平成15年頃から平成22年ころにかけて激減し、その後横ばいないし漸減を続けてい・・・

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