「手ごろな保険料」と言えるのか!!
─少額短期保険の死亡保険から─

生損保研究会ぐるーぷ31代表 松尾保美

 最近、テレビや新聞・Webなどで耳に残り、目に留まる保険関連の広告がある。新聞を開くと、嫌でもこれら保険の大きな一面広告が目に入ってくる。「100万円の備えができる」「100万円受け取れます」と、大きな文字で表示している。その表示の周りには「手ごろな保険料でお葬式代程度を備える」「ムリなく備えませんか?」「この先のお金が心配だったら……」「家計にやさしい保険料」などの記載があり、「葬式代(費用)」「70代、80代のシニア世代からの……」「終活」などのフレーズが散りばめられている。50代女性の低額な保険料を大きな文字で強調表示しているが、明らかに高齢者をターゲットにした保険商品であることが窺える。この類の少額短期保険の広告が増えたからなのか、消費者の苦情相談も耳にするようになってきた。

表1 少額短期保険業と保険業の比較表

 1990年代、根拠法のない無認可共済(任意共済)が多数設立されたが、マルチ商法による募集や保険金不払いなどによる苦情も増えた。中でも多くの消費者被害をもたらした“オレンジ共済”事件が契機となり2005年の保険業法改正により、根拠法のな・・・

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