成年年齢引下げまでに実現すべき施策と今後
─弁護士会等の会長声明等から─

弁護士(富山) 谷口 央

1 はじめに

 いよいよ2022年4月1日に民法の成年年齢が20歳から18歳に引下げられる。

 成年年齢の引下げにより、未成年者取消権を失う18歳、19歳の消費者被害拡大が懸念されている。

 この点、2009年10月28日に法制審議会において採択された「民法の成年年齢引下げについての最終報告書」では、成年年齢を18歳に引き下げるのが適当であるとしながらも、「現時点で引下げを行うと、消費者被害の拡大など様々な問題が生じるおそれがあるため、引下げの法整備を行うには、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現されることが必要である」とされていた。

 また、2018年6月13日に成年年齢を引き下げる「民法の一部を改正する法律」(以下、本改正法という)の成立に際して、参議院法務委員会において全会一致で附帯決議がなされた。この附帯決議では、①成年年齢引下げに伴う消費者被害の拡大を防止するための法整備について検討を行い、本法成立後2年以内に必要な措置を講ずること、②特定商取引法、割賦販売法、貸金業法その他の業法における若年成人の被害防止を含む消費・・・

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