「新たな訴訟手続」新設への懸念

主婦連合会常任幹事 藤野珠枝

「新たな訴訟手続」反対声明

 『「新たな訴訟手続」は判決までの期間について当事者の予測可能性を高めるために、争点整理を集中的に行い、これを充実させつつ、判決に至るまでの手続きを適正かつ迅速に進行することができる制度とされています。裁判が迅速に行われることはとても大事なことですが、この問題はIT化関係の部会で審議されるべきことではなく、別途検討委員会を設けるなどして、十分な時間をかけて、現行の裁判がなぜ時間がかかっているのかの原因を探り、問題点を明らかにし、懸念を取り除くため方策を含め、検討を行うことが必要と考えます。』

 上記は2021年12月15日付で、主婦連合会、全国消費者団体連絡会、全国消費生活相談員協会の三者連名で出した声明の冒頭です。

 消費者団体から唯一の法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会委員として1年10ヶ月全23回の審議に臨んだ私は、最初の会議から戸惑うことの連続でした。しかしありがたいことにそんな私には主婦連合会を通じて、当初より他の消費者団体をはじめ、消費者行政の関係者、消費者問題に取り組む弁護士の方々、同じ審議会委員が所属する業界の方々等が「一・・・

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