新ブリッジブック 鳥瞰 民法(全)

著者:河上正二
発行:信山社
価格:1,700円(税別)

 本書は、市民・学生向けの民法(財産法と家族法の全体)の入門書である。著者は、河上正二教授(青山学院大学)である。財産法と家族法の全体を1冊で解説する本としては、400頁以上のものが多い中、本書は201頁と非常にコンパクトである。もっとも、河上教授自身が「『わかりやすさ』やコンパクトであることは、決してレベルを下げて語ることを意味しない」「全力投球で作業をしたつもりである」と冒頭で宣言しておられるように、本書では民法全体が丁寧に紹介されており、また、はしがき・序説の記述や「一口メモ」「閑話休題」などは非常に示唆に富んでいて、おもしろい。これから民法を勉強しようとする人が、最初に読むのには最適の一冊だと思う。はじめて民法を学ぶ人向けに、法律用語には丁寧にフリガナも振られている。

 なお、河上教授の民法の教科書としては、『民法学入門〔第2版〕増補版)』、『物権法講義』『担保物権法講義』(いずれも日本評論社)があり、債権法については、現在、法学セミナーで「債権法講義」の連載が続いている(既に、不法行為の部分の解説に入っている)。

弁護士(大阪) 薬・・・

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