大深先生を偲んで

弁護士(大阪) 小坂梨緑菜

1 大深法律事務所に入所した経緯

 私は、平成17年11月に司法試験に合格しました。大深法律事務所に電話をかけて、「大深先生の高校の同級生の娘です。司法試験に受かったので、お祝いしてください」とお願いしました。

 大深先生は会ったこともない私からの突然の電話に驚かれたようでしたが、食事に連れて行ってくれました。

 修習中も何かと気にかけて下さり、就職がなかなか決まらないのを見かねて、「うちの事務所に来たらいいよ」と声をかけてくれました。私は、これ幸いと大深事務所に居座りました。

2 大深事務所に入所してから

 ビルの廊下に響き渡るほど大声を出して怒鳴る依頼者や無理難題を押し付けて大深先生を困らせる依頼者もいました。大深先生は、呆れるほど粘り強く付き合っていました。私が腹を立てて「あんな態度の依頼者に付き合わなくていいですよ!」と言うと、「人は奥深いものなんですよ」「人に対する好奇心を失っちゃあいかん」「本当の気持ちは違うんですよ」と苦笑されていました。その依頼者の育った環境や家族関係、今の状況、どんな思いで法律事務所に来ているのか等々、私が納得できるように詳しく話してくれました・・・

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