消費生活のデジタル化への対応

弁護士(大阪) 川添 圭

1 消費生活のデジタル化

 現在、ICT(情報通信技術)の発達により、急速に社会のデジタル化が進んでいます。

 一般社団法人電気通信事業者協会の公表資料によれば、2021年度第二四半期(9月末)現在における携帯電話の回線契約数は1億9000万回線を超えており、既に「一人一台」を上回っています。

 インターネットが社会に普及したことで、SNSなどを通じて消費者による情報の発信や入手が容易になり、さらには商品やサービスの取引においてもデジタルデータを用いる比重が高まっています。消費者庁が2020年7月に公表した「消費者のデジタル化への対応に関する検討会報告書」によれば、この状況を「消費生活におけるデジタル化」と定義し、デジタル化の特徴として、①非劣化性(コピーか簡単であること)、②平等性及びメディアの非依存性(デジタルデータは音声・画像等の内容を問わず同じ取扱いが可能であること)、③処理の高速性(パソコン等による機会処理に馴染みやすいこと)、を挙げています。

 また、新型コロナウィルス感染症の拡大により、在宅勤務(リモートワーク)や遠隔授業などの機会が増加し、いわゆる「巣ごもり需要・・・

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