小田原市のニホンザルの駆除に反対する

THEペット法塾代表 弁護士(大阪) 植田勝博
精神保健福祉士 村本知子

 神奈川県、小田原市において、ニホンザルのH群を全頭捕獲して完全駆除をするとの方針を固めたとの報道を受けて、行政に対して2021年10月18日に、これに強く反対する意見書を提出した。

1 小田原市は「市に生息するニホンザルのH群を全頭捕獲して駆除の方針を固めた。その理由は、農業被害や人への被害による」との報道がなされた。

 小田原市のサルは、1924(大正12)年から確認され、1950年代には湯河原周辺の観光道路を中心に野猿公園が開園された。サルの餌付は、いわば人が観光に利用するためであった。「お猿のかごや」の童謡の歌詞は「エッサ エッサ エッサホイ サッサ お猿のかごやだ ホイサッサ 日暮れの山道 細い道 小田原提灯ぶら下げてー」で有名で、小田原の名前を全国に知らしめた歌である。

2 サルの減少、絶滅の危惧と、サルの生活環境と、人の被害とは何か。

 小田原市に生息するサルの数は、2003年156頭であったものが、2020年には75頭と、約半数に減少している。

 野生動物の生きる食べ物がない。宅地化や人の開発などにより生息領域が狭めら・・・

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