まさかこんな判決が・大阪地裁判決
京都八幡大量の犬猫殺害事件

弁護士(大阪) 植田勝博

1 驚くべき大阪地裁判決

 大阪地裁年11月26日判決(令和3年(ワ)第6350号損害賠償等請求事件)がされた。内容は、歴史に残る残酷な京都八幡事件で「損害賠償金67760円(内訳慰謝料5万円、トリミング代など17760円)を支払え」との驚くべき判決であった。

2 歴史に残る猟奇事件

 被告増山珠美は、積極的に全国の行政・民間に対して犬猫の引き取りをし有名な存在であった。しかし、実態は自宅内に犬猫をケージ内などに置き、給餌をせず殺害し、これを繰り返し、ビニール袋に自宅内に積み上げていた。増山はこれをゴミとして出していたが、動物の遺骸が一般ごみとしてうまく出せなくなったとして自宅にビニール袋を積み上げていた。増山は事件発覚の2019年6月3日の前まで動物保護と称して引き取りをし殺害していた。捜査での証拠は、ビニールに入れられ積み上げられていた、その数、数十から百頭余の殺害された犬猫のミイラ化した遺骸の写真であった。

 その行為の実体は、世話もできない自宅内に閉じ込めて犬猫を殺すという状況での引取りであった。被告に犬猫の命を託した者は、犬猫の命を守ってくれると信じて、実は殺害目的・・・

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