ゲノム編集食品、安全性が確認されないまま相次ぎ市場化へ

市民バイオテクノロジー情報室代表 天笠啓祐

トマトにマダイ、そしてフグまでも

 ゲノム編集食品が相次いで市場化が進められています。この間の動きを報告します。2019年10月に厚労省は、ゲノム編集食品の市場化にゴーサインを出しました。「事前相談、届出制度」を設置し、届出は任意とするものの、国内の企業にはなるべく届出をするように指導しました。

 2020年12月、その制度に基づき、日本初となるゲノム編集食品の高GABAトマト「シシリアンルージュハイギャバ」の届出が出され、受理されました。心臓や血管などの健康に良いというGABAの含有量を増やしたトマトです。開発したのは筑波大学・江面浩教授と同教授が設立したサナテックシード株式会社で、親会社はパイオニアエコサイエンス社です。

 そのトマトのネット販売が、2021年9月15日に始まりました。販売を始めたのはパイオニアエコサイエンス社です。価格は、2kg6048円、3kg7506円と高い値段がつけられました。同社はまた10月11日からトマトの苗の栽培キットの一般販売も始めました。このキットは、苗4株に4種類の肥料を加えたものですが、販売価格は8250円と、これ・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。