熱海市伊豆山地区土石流災害における被災者支援活動の実情と課題

弁護士(静岡) 髙山 功

1 はじめに

 令和3年7月の大雨の影響で、熱海市伊豆山地区において大規模な土石流災害が発生しました。亡くなられた方々にお悔やみ申し上げるとともに、被災された方々が1日も早く落ち着いた生活を取り戻すことをお祈り申し上げます。また、被災者救出活動に尽力された自衛隊、警察の皆様、行政の方々、その他関係者の皆様にも敬意を表します。全国から物資提供や寄付という形で支援いただいた方々にも感謝申し上げます。私も、弁護士という立場から、微力ながら、復旧・復興に力添えしたいと思います。

2 平時における連携の必要性

 静岡県弁護士会は、土石流災害発生当日、災害対策本部を立ち上げ、無料電話相談を実施することとするとともに、直ちに、熱海市担当部署と連絡をとり、被災者支援活動の準備ができていることを伝えました。

 これに先立つ令和元年12月、熱海市と静岡県弁護士会とは、平時の災害対策及び災害時被災者支援活動に関する協定を締結しました。今回の災害で、被災者支援相談会をスムーズに開設することができたのは、災害協定を締結していて、平時から、熱海市と静岡県弁護士会の担当者間において顔の見える関係を築くこと・・・

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