SNS・アプリ等を経由した海外投資詐欺、暗号資産(仮想通貨)詐欺被害
─全国一斉110番の実施報告─

弁護士(大阪) 荻野数馬

1 実施の経緯

 SNS・アプリ等を経由した暗号資産(仮想通貨)の取引に関するトラブルについては、金融庁・消費者庁・警察庁が、「暗号資産に関するトラブルにご注意ください!」(2021年4月7日最終更新)において、「典型的な事例」として注意喚起がなされている。また、国民生活センターのホームページにおいても、「出会い系サイトやマッチングアプリ等をきっかけとする投資詐欺にご注意を ─恋話(コイバナ)がいつの間にかもうけ話に─」(2021年2月18日公表)や、「【若者向け注意喚起シリーズ〈No.2〉】情報商材や暗号資産(仮想通貨)のトラブル─「もうかる」はずが、残ったのは借金……─」(2021年6月3日公表)といった発表情報が掲載され、注意喚起がなされている。

 しかしながら、これらのトラブルは減少せず、本件110番以降にも、国民生活センターから、「【若者向け注意喚起シリーズ〈No.6〉】SNSをきっかけとした消費者トラブル─広告の内容はしっかり確認! 知り合った相手が本当に信用できるか慎重に判断を!─」(2021年11月4日公表)が掲載されている。

 大阪弁護士会では、これらの被・・・

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