KRGの分譲地管理契約に関する差止訴訟の第一審判決(不当)

特定非営利活動法人ひょうご消費者ネット理事 弁護士(兵庫) 上田孝治

1 ひょうご消費者ネットは、KRGの分譲地の管理に関する「管理期間は、毎年1月1日から12月31日迄とする。但し、所有者が分譲地に土地を所有する間、更新するものとする。」という規約の定めは、消費者が分譲地の所有者である限り、管理契約が更新され続けるものであることから、準委任契約などの継続的契約においては任意解除権が認められているにもかかわらず、この規約によれば、消費者による自由な解除が認められなくなること、また、不作為による意思表示を擬制する条項にも該当するなどの理由で、消費者契約法10条前段の要件を満たしており、かつ、継続的契約への永続的拘束という過度な制約であることなど、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものと言えるとして、分譲地所有者による管理契約の解除を認めない条項についての差止訴訟を、2020年6月に提起しました。

2 この訴訟について、2021年9月14日に神戸地方裁判所において判決が言い渡され、結論としてはひょうご消費者ネットの請求は認められませんでした。

 この第一審判決では、まず、本件管理契約の法的性質・・・

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