ファビウス株式会社に対する差止請求訴訟についての名古屋高等裁判所判決について(不当)

消費者被害防止ネットワーク東海(Cネット)検討委員 弁護士(愛知) 竹之内智哉

1 はじめに

 健康食品販売業者「ファビウス株式会社」に対する景品表示法に基づく有利誤認表示差止請求事件について、名古屋高等裁判所は2021年9月29日、当団体の控訴を棄却する全面敗訴の判決を言い渡しました。

2 ファビウスによる被害

 ファビウスのウェブページには、フルーツ青汁が630円(税抜き)で購入できることが表示され、630円の文字が赤く大きく表示されていました。

 630円であれば、お試しのつもりで1回くらいは購入してみようと考える消費者は、購入の申込みをすることになりますが、申し込んだ翌月に残り3か月分の請求書とともにフルーツ青汁が自宅に届き、最低4回の定期購入が必要であることに気づくことになります。

3 訴訟の提起

 当団体は、2015年、ファビウスに対し、最低4回の定期購入であることの打消し表示をわかりやすく表示することなどの申入れを行いましたが、表示の変更は行われませんでした。

 そこで、2018年1月19日、1回だけの支払いであるかのような表示を止めるよう差止請求訴訟を名古屋地方裁判所に提起しました。

 2019年1・・・

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