消費者契約法第9条第1号の「平均的な損害」の炙り出し

行政書士 大矢安昌

1 キャンセル料金

 通常、予約を取るケースで、契約締結後に一定の解約料金を支払えばいつでも解約できる規定を設けている場合が多い。料理教室やキッチンスタジオレンタル、旅行やホテル、式場予約、レストラン、セミナーなど、予約とつくものにはキャンセルポリシーはつきものである。

 解約料を支払えばいつでも解約できる自由を持ちつつ権利を保有できる点でメリットがある反面、キャンセル時期によっては暴利とも思えるような割合のキャンセル料を取られるものもある。

 また、「これくらいは妥当なのかな?」とか「よくわからないけど仕方ないか」という、曖昧模糊のまま契約してしまうことが多いと思われる。

 例えば、レストランの予約でも、当日キャンセルは予約金額の100%のキャンセル料とするもの、当日キャンセルでも連絡があれば80%とするものなどお店によって違いがある。人気のあるお店は、当日キャンセルが出ても時間によってはすぐに別のお客で埋まることもあり、お店にとってはそれほどの損害が出ないこともあるだろうが、それは、たまたまそうなっただけで毎回そうであるとも限らない。そのようなリスクを考えると、上限「平均的損害」・・・

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