日本の民主主義運動強化のために(29)
─「被害者の会」を作れない理由─

弁護士(大阪) 木村達也

1 「被害者の会」「当事者の会」の役割

 日本の民主政治を前進させるために政治活動には素人集団である「被害者の会」「当事者の会」が大きな役割を果たしてきたことは言うまでもない。

 40年前、サラ金問題に対する世間の目は“借主責任論”が大半であった。「借りて返さないのは借主が無責任な借金をしたからだ」「高利であることが初めから分かっていた筈だ」「飲酒、ギャンブルによる浪費だ。同情の余地はない」など、世間のこうした借主責任論を、貸金業者の高金利、苛酷な取立て、過剰与信の借金漬け営業政策をこそ批判するべしとする“貸主責任論”に転換させたのはサラ金被害者達の血と涙の訴えであり、告発であった。

 「借金苦」というこの絶望的状態の中で、自らテレビカメラの前で訴え、告発するという勇気や姿勢は何処から生まれ、どのように全国に伝播したものであろうか。

 所謂“サラ金3悪”に対する批判を続けて全国の60もの被害者の会は、日常的に地域住民からのサラ金相談に乗り、健全な家計確立についての勉強会を重ね、必要とあらばテレビカメラの前でサラ金業者の悪質営業を告発し続けた。また、多重債務に陥る経過や原因を涙の・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。