「超高齢社会における消費者被害の予防と救済を考える」2021年日弁連第63回人権擁護大会(岡山大会)

弁護士(大阪) 薬袋真司

 日弁連第63回人権擁護大会が、2021年(令和3年)10月14日・15日に開催された。今大会は、当初は前年に鹿児島県で開催される予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、1年延期され、岡山での開催となった。人権擁護大会で消費者問題を扱うのは、2009年の第52回和歌山大会以来、12年ぶりのことである。

 大会1日目は、人権擁護に関する三つのシンポジウムが開催された。その一つが、消費者問題に関するシンポジウム(第2分科会)「超高齢社会における消費者被害の予防と救済を考える〜誰一人取り残さない社会をめざして〜」であった(このシンポジウムの基調報告書、海外調査報告書は日弁連のHPでダウンロードできる)。また、2日目には、五つの決議が採択されたが、その一つとして、「超高齢社会において全ての消費者が安心して安全に生活できる社会の実現を推進する決議」が採択された(決議主文については、本稿の後に掲載。提案理由を含めた決議全体は、日弁連のHPでダウンロードできる)。

 1日目に開催された上記シンポジウムは3部構成で、第I部は問題提起として、被害の現状や今後の高齢化の進行等に関・・・

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