コロナ禍の面会制限における高齢者の意思決定支援

JA愛知厚生連海南病院医療ソーシャルワーカー 末藤和正

 コロナ禍における医療介護機関の面会制限が瞬く間に広がり、2021年4月に日弁連は「コロナ禍における社会福祉施設・医療施設での面会機会の確保を求める意見書」を内閣総理大臣等に提出した。2019年6月に「身寄りがない人の入院及び医療にかかる意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」が発出され、成年後見人等を担う弁護士等と医療機関との連携強化の兆しが見えたのも束の間の出来事である。そのような中、当院及び周辺医療介護機関でどのようなことがおきているのかを紹介し、相互理解の一助としたい。

 なお本稿は、第5波が収束し、全国の新規感染者数が500人程となった2021年10月に執筆している。1ヶ月前には連日2万人程が新規感染していた。

1 面会制限の背景

 本来、感染症指定病院は、保健所から「この方が陽性者です」と言われて入院治療を引き受け、専用の環境で治療にあたるから、感染を防止できる。それ以外の患者や職員が陽性になるうえ、あとから判明するため、感染を警戒して面会を制限する。

 一部の医療機能を制限した病院が一定数ある。救急車の受入れ、手術が必要な方の・・・

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