◇私は、我が国のODA(政府開発援助)事業である法整備支援プロジェクトのため、2011年から国際協力機構(JICA)の長期専門家として北京に赴任し、中国の国会に相当する全国人民代表大会において立法起草研究を担当する法制工作委員会に対して、日本法の知見を提供するための日中両国間の橋渡し・調整役を担当してきた。
◇今年3月末に対中法整備支援プロジェクトは終了し、私も任務を終えて帰国した。これまで関与したのは、中国の民事訴訟法、消費者権益保護法、環境保護法、行政訴訟法、食品安全法、大気汚染防治法、立法法、サイバーセキュリティ法、証券法、民法典編さん、特許法、著作権法等に関する改正・起草支援であり、このうち消費者法関連の動向については、本誌の国際消費者問題欄に『中国消費者法事情』として発信の機会をいただいてきた。怠け者の私が連載を続けられたのは、法ニュース発行会議幹事と事務局、「読んでるよ」という読者からの叱咤激励による。改めて感謝申し上げたい。
◇コロナ禍における中国の司法事情を紹介する。最高人民法院は昨年4月「新型コロナウイルス性肺炎感染症流行に関わる民事事件の法に基づく適切な審理に係る若干の・・・
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