事務局だより

1 消費者保護制度の基本、土台である書面交付義務をなくする立法が2021年6月にされた。高齢者、一般の消費者の、契約内容の土台をチェックする消費者センター、弁護士の機能は果たせない。契約内容を知り、消費者の侵害や権利の確保をするが、消費者から契約内容を明らかにされないかぎり、救済は不可能である。契約書面がなければ、契約の無効ないしクーリング・オフによる救済ができない。消費者のシンプルで迅速かつ簡便な救済の武器を奪うものである。どこの力により消費者の権利の土台が奪われていくのか。

2 消費者主権が叫ばれ、消費者の知る権利、意見を言う権利は、所有者の権利の基本である。食の安全といいつつ、これもお題目だけで行政の宣伝に使われるが、遺伝子組換食品の表示義務は多くの例外の中で表示が秘匿され、知らずに遺伝子組換食品を摂食しているのが日本である。ゲノム編集(遺伝子内部での切り取りなど)は、新たなキメラの生物を作り出すが、その安全性は証明ができていない。それは、表示をして消費者の選択の権利に委ねられなければならない。ところが、遺伝子組換、ゲノム編集の表示は商品売上が減少するとして表示義務を認めない。これ・・・

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