司法、福祉、医療、消費生活センター連携の権利擁護
─愛知県豊田市の現状と展望─

豊田市人事課(前福祉総合相談課) 加藤史也
弁護士(愛知) 杉本みさ紀

豊田市における法福連携のきっかけ

 豊田市における成年後見制度の利用促進に関する取組みは、平成26年ごろから豊田市社会福祉協議会と市内法律職が感じていた「課題意識」がきっかけです。特に当時から成年後見人等を受任されていた法律職からは、権利擁護支援における成年後見制度の必要性や、愛知県内でもいくつか立ち上げられ始めていた成年後見支援センターの設置を求める声をいただいていました。

 検討初期の段階ではインフォーマルな形式の意見交換の場を何度か設定させていただき、行政、法律職、福祉職がざっくばらんな話し合いを行うことで、要求・要望にならず「みんなで考えよう」という機運をうまく作りあげることができました。その結果、成年後見と関連する動きのなかで何が行われ、誰が何に悩んでいるのかという相互理解が進み、必要とされる対応策の検討までつなげることができたと感じています。こうした動きの後、平成28年に「センター設立検討委員会」を立ち上げ、豊田市成年後見支援センター設置に向けて更なる検討と合意形成に向けて動き出しました。

豊田市成年後見支援センター

・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。