レジ袋とプラスチック対策
─拡大生産者責任と制度化の観点から─

国立環境研究所 資源循環領域 資源循環社会システム研究室長 田崎智宏

1 はじめに

 2020年7月1日からレジ袋が有料化され、プラスチック問題への一般の方々の注目が増した。市民の生活に密接に関わる内容であり、また、店舗でのオペレーションも多大な影響があったことから賛否両論が噴出したが、レジ袋の辞退率は大幅に増加した(2020年8月3日のNHKニュースによれば、2020年7月の大手コンビニエンスストア3社の辞退率は75~77%と有料化前の25%から大幅に増加した)。さらに、2021年3月9日には「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が第204回通常国会に提出されることが閣議決定され6月に成立した(以下、「プラ資源循環法」という)。本稿では、急速なレジ袋およびプラスチック対策の動きを確認するとともに、拡大生産者責任と制度化の観点からの課題を指摘する。

2 プラスチック問題の高まりと制度化

 プラスチック問題はプラスチックにまつわる大量生産と大量廃棄の問題が国際的に深刻化することにより、2010年代後半に国際的に対策が急進した(詳しくは別稿、田崎2020を参照)。とりわけ、大量のプラスチック・・・

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