欠陥住宅紛争の基礎知識(54)
─マンションの瑕疵をめぐる問題(6)─

弁護士(東京) 河合敏男

7 タイル剥落による事故

 タイルの剥離、落下は、人身被害につながる重大な事故である。建設省平成2年5月19日住指発第221号の「外壁タイル等落下物対策の推進について」と題する通達には、人身事故を含む9件のタイル剥落事故事例が紹介されている。例えば、平成元年11月21日、北九州市の住宅・都市整備公団の10階建てマンション塔屋部分タイル幅約8.5m×高さ約5mが約31m下に落下し、歩道上の通行人2名が死亡、1名が重傷を負った事故などが報告されている。

8 タイル剥離と契約不適合(瑕疵)

 外壁タイルの施工上の安全基準に関する法令の定めはない。建物の基本的安全性に関わる部分であるにもかかわらず安全基準を作らないこと自体、立法上問題である。現段階では、国交省大臣官房官庁営繕部監修「公共建築工事標準仕様書」、同「建築工事監理指針」、同「建築改修工事監理指針」、日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説 JASS19 陶磁器質タイル張り工事」、全国タイル業協会「タイル手帖」等に記載の技術基準を標準的技術基準として欠陥判断が行われている。なお、上記JASS19は、正誤表があって、コンク・・・

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