区分所有建物の共用部分の契約不適合に基づく損害賠償請求権

弁護士(東京) 桐原明子

1 区分所有建物の増加

 平成30年住宅・土地統計調査の結果によれば、共同住宅の住宅数は30年間で2倍以上となっており、住宅に占める共同住宅の割合は、東京都では7割以上、神奈川県、大阪府、福岡県では5割以上となっている。共同住宅と区分所有建物はほぼ重なり、区分所有建物の増加に伴い、区分所有建物に欠陥があった場合、区分所有法の規律に基づき問題を解決しなければならない場面も増加しているといえる。

2 専有部分と共用部分

 区分所有法(建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号))では、構造上の独立性・利用上の独立性がある「専有部分」を所有権の目的とすることができるとして区分所有権を認め、専有部分以外の部分は「共用部分」とされ、共用部分は区分所有者の共有となる(法11条)。専有部分であったとしても、管理規約により共用部分とすることができる(法4条2項、規約共用部分)。

 建物の躯体は共用部分になるため、専有部分はどこまでの範囲となるかその境界が問題となるが、区隔部分の骨格をなす中身の部分(壁芯)が共用部分であり、その上塗りの部分は専有部分に含まれるというのが通説である・・・

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