Apple Japan合同会社に対する訴訟提起報告

Apple被害対策弁護団事務局長 弁護士(愛知) 石川真司

第1 概要

1 令和元年、Apple Japan合同会社(以下「Apple社」といいます)が業として輸入する携帯電話機「iPhone XR」(以下「スマートフォン」といいます)の充電中に発生した火災により家屋一棟が焼損し、就寝中の夫婦が亡くなりました。当該スマートフォンは、購入後約2週間の新しいもの、充電器は純正製品でした。

2 消防作成の火災原因判定書によれば、2階建て建物の1階リビング中央付近のテーブルの天板、及び、そのテーブル下に充電器につないだ状態で落ちていたスマートフォン周囲の絨毯が焼失してフローリングの床材が確認できる状態となっており、他よりも焼損が強いため、スマートフォンからの出火の可能性が考えられるとされています。

 上記判定書によれば、最も焼損の強いテーブル付近に他に出火原因となりうる電気機器はないので、本件スマートフォンが出火原因であると判断されます。

第2 法律構成─製造物責任法

 Apple社は、被害者が所有していた本件スマートフォンを業として輸入した者であって、製造物責任法第2条3項にいう「製造業者等」である(同項1号)とこ・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。