弁護士(東京) 上柳敏郎
金融庁は、2021年1月15日、顧客本位原則を改訂し1、説明義務に関する原則4の注4に、「同種の商品の内容と比較することが容易となるように配意した資料を用いつつ」という文言を加えた。このほか、適合性に関する原則6の注1等重要な改訂がされた。
そして、金融庁は、同年2月15日、金商業等府令を改正した2。改正後の同府令80条1項7号(新旧対照表34〜5頁)は、顧客に対し「簡潔な重要情報提供等を行い」かつ金商法37条の3の事項「について当該顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして当該顧客に理解されるために必要な方法及び程度による説明をしている場合」は、交付書面等は電子的提供で足りる旨定めた。「簡潔な重要情報提供等」の定義は、同条6項にあり、これが重要情報シートである。金融庁ホームページでは、「金融商品を比較しやすくするため、顧客に簡潔にわかりやすく商品のリスクや手数料等の情報を提供する資料」と解説されている。
さらに、金融庁は、同年5月12日、「重要情報シートを作成・活用する際の手引き」4を公表した。手引きには、「レバレッジ商品やデリバティ・・・
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