令和2年の証券・先物等の裁判例の紹介(あおい法律事務所の取組み)

弁護士(東京) 太田賢志

1 CO2排出権取引(株式会社e-gao)

(1)判決年月日

 控訴審:東京高判令和2年1月22日
 原 審:東京地判令和元年8月22日

(2)判決内容(控訴審)

 AX社は英国金融庁から商品先物取引やファンド、ワラント等の業務を行うことが認められており、ICEの上場商品を取り次ぎ、顧客資産を管理する資格を保持してはいるものの、ICEの会員ではないから、CO2排出権取引はICEのいずれかの正式な会員を通じてでなければ行えないところ、本件取引における被控訴人の売買注文が、AX社を通じてICE・ECXに取り次がれ、現実に取引がなされたことを認めるに足りる証拠はない。また、控訴人会社は、日本国内において金融商品を扱うことに関する許可登録も有していない。

 控訴人らは「顧客からの注文があった場合、控訴人会社は随時注文を出しており、AX社からは成立値段と成立時間が返送されてきた」などと主張し、控訴人会社からAX社に対して、数年にわたり委託金名目で繰り返し送金していた証拠を提出するものの、これのみでは控訴人会社がAX社に売買注文を取り次いでいたことを認めることはできず、被控訴人からの求釈明にも・・・

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