個人情報保護委員会委員長 丹野美絵子
個人情報保護委員会では、電話相談窓口を設けて、消費者や事業者など皆様からの相談を受け付けています。その中でも、昨年は破産者情報掲載サイトに対する相談・苦情が非常に多く寄せられました。
そもそも「破産手続開始」の公告は、債権者保護の観点等から官報に掲載されています。また官報電子版はPDF形式で提供されており、インターネット上で個人名を検索しても、通常は検索結果に表示されるものではありません。にもかかわらず、破産者情報掲載サイトの存在により、検索サイトに個人名を入力すると、当該個人が破産者であることが直接表示される状態になっていました。つまり、何者かが、官報によって散在的に公開されている個人情報をデータベース化し、差別等を誘発するおそれがあることが十分に予見できるにもかかわらず、インターネット上で公開していたのです。
個人情報保護法では、個人情報取得時における「利用目的の通知・公表」及び「個人データの第三者提供に際しての本人同意」を原則義務づけています。しかし、破産者情報掲載サイトでは、これらの二つの義務が履行されておらず、法に違反し、個人の権利利益を侵害し・・・
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