生活保護の障害者加算削減の違法性を認め、慰謝料をみとめる
(東京地方裁判所令和3年3月26日判決)

弁護士(東京) 黒岩哲彦

 生活保護の処分をめぐり精神的な損害賠償を求める訴訟ではほとんどの判決が慰謝料を認めていません。生活保護を利用する男性が障害者加算を削られたことに対して、東京地方裁判所の石田佳世子裁判官は2021年3月26日に言い渡した判決で、生活保護の障害者加算削減の違法性を認め、慰謝料は1万円、弁護士費用100円の支払いを命じました。判決は4月16日に確定しました。

第1 判決の内容

1 障害者加算の意味

 「生活保護は、健康で文化的な最低限度の生活を保障するものであり(生活保護法3条)要保護者(同法による保護を必要とする者をいう)は、性別、世帯構成別、所在地別その他保護の範囲に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものである必要がある(同法8条2項)。障害者加算は、要保護者が障害を有することにより生じた特別の需要を考慮して加算されるものであり、精神障害を有する原告にとっては、健康で文化的な最低限度の生活を営む上で不可欠のものであると言える。」

2 生活の基盤を脅かす

 「障害者加算が、平成29年6月から同年12月27日の支給再開まで6か月にわたり支給されなかったこ・・・

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