遠隔講義消費者法〈第2版〉2021

  • 著者:河上正二
  • 発行:信山社
  • 価格:2,500円(税別)

 本誌126号で紹介した河上正二教授(青山学院大、消費者法学会現理事長、消費者委員会元委員長)の『遠隔講義消費者法2020』の改定版である。

 大学における授業の受講者を主たるターゲットとして執筆されている点は、初版と同様である。また、初版の紹介においても指摘したが、現行の法制度の解説を中心とするオーソドックスな教科書とは異なり、近年の重要な消費者問題などを大きくクローズアップしている点や、いくつかの章において河上教授の問題意識が強く押し出されている点などが特徴的なところである。

 改定は、表記の変更なども含めると全体にわたるが、主な内容的な改定部分は、序論におけるデジタルプラットフォーム新法、特商法・預託法の改正法案などについての部分(デジタルプラットフォーム新法に関する河上教授の国会での参考人意見などの「補論」や関連資料の追加)と、約款に関する記述の部分(消費者契約法の章の「コラム」と定型約款に関する章の「補論」の追加)である。なお、15の章構成には変更はなく、ページ数は265頁である(初版から15頁減少)。

 本書は、消費者法の現在の制度を知・・・

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