第14章 その他

弁護士(大阪) 吉岡康博

第1 はじめに

 今回の白書で取り上げる裁判例は、消費者訴訟における移送に関するもの、公正証書遺言の無効が認められたもの、スラップ訴訟に関するもの、及び福島第一原発事故に関するものである。

第2 移送に関する事例

1 信販会社が合意管轄に基づき東京簡易裁判所に提訴した訴訟について消費者である被告の住所地を管轄する地方裁判所への移送決定が認められた事例

 信販会社がクレジットカード利用者である会員に対して立替金請求訴訟を提起する場合、会員規約に基づき東京簡易裁判所や信販会社の本社所在地を管轄する簡易裁判所に提起されることが多い。クレジットカードの使用に問題があった事例について、被告である会員が行った移送申立てが認められた事例を紹介する。

 〔1〕東京簡決令和元年12月19日は、被告である会員が、基本事件において、ホストクラブで飲食のツケ払いを強要された、実際は飲食をしていないのに飲食したかのように決済処理された、半ば強要される形で信販会社に対する多額の債務を負担させられたとして、支払停止の抗弁等を主張することが予定された事案であった。

 決定は、会員とホストクラブとの繋がりや関係者の・・・

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