第9章 欠陥住宅

弁護士(愛知) 石川真司

 令和2年度を中心とした欠陥住宅事件等の裁判例を紹介する。

1 令和2年3月12日 京都地裁判決〔1〕

 平成12年6月頃引渡しの木造2階建て(在来軸組工法)建物(請負契約)。1階、2階とも北東方向に5/1000前後の傾斜が生じている。判決は、厚さが不均一な粘性土層がありそれによって不等な圧密沈下が生じたと認定した上で、本件土地が琵琶湖岸の湿地帯にあること、登記上の地目が田であり、かつては付近一体が田として稲作に供されていたことから、本件土地の下に軟弱な粘性土層が存在することは予見可能であったとし、被告が行ったSWS試験の結果から、本件土地の下に存する軟弱な粘性土層の厚さが不均等である可能性を疑う契機が十分にあったことからベタ基礎施工で結果回避義務が果たされたとはいえず、柱状改良工事が不可欠であったとして、被告の不法行為責任を認めた(控訴審で和解成立)。

2 令和2年6月5日 横浜地裁判決〔2〕

 平成19年2月引渡しの建売住宅(木造2階建て在来軸組工法)であり、建物に最大8.6/1000の傾斜がありこれが地盤の締め固め不足による地盤の瑕疵及び基礎の瑕疵であると主張した事案。・・・

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