第7章 先物取引・詐欺的利殖商法

弁護士(東京) 荒井哲朗

 今回は、本誌124号掲載の消費者法白書以降に本誌で紹介された裁判例(この間先物取引裁判例集は刊行されていない)について紹介する。

 奈良地判令和2年2月13日は、匿名組合契約まがい取引被害事案について、「本件匿名組合契約における投資対象となる事業の実体があることについて(被告らが)何ら具体的な主張していないことも踏まえると、本件匿名組合契約について、その対象となる医療法人に対する医療機器リース事業の実体はなかったものと認められる。そうすると、被告らは、本件匿名組合契約が配当金の発生する仕組みを欠くものであるにもかかわらず、これがあるかのように装い、原告を含む一般投資家に対して本件匿名組合契約の募集、販売を行い、その代金を詐取していたものと認めるのが相当である」と判示している〔1〕。投資の実態を欠くファンドまがい商法はなお多く見られる。この種訴訟において、請求者側に不法行為の主張立証責任があることは、組成した側に損益を適正に帰属させる実質を備えているものかどうかを明らかにさせることが請求者側の主張立証活動になるということと矛盾するものではない。

 京都地判令和2年2月20・・・

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