第2章 クレジット・リース・決済手段

弁護士(大阪) 松尾善紀

1 クレジット・リース・決済手段関係の判例・和解

 2020年消費者法白書(当ニュース124号)以後の当ニュース判例和解速報・判例データベースに報告されたクレジット・リースに関する案件は大阪地方裁判所令和2年9月3日判決の1件のみである。

 これに加え、消費者側敗訴判決(控訴事件)ではあるが、東京地裁平成31年4月11日判決(金融法務事情2142号70頁)を紹介する。

〔1〕大阪地裁・令和2年9月3日判決(法ニュース126号・137頁、143頁)

【事案の概要】

 被害者(原告・機械等の販売を行う株式会社)が、被告会社(提携リースの加盟店・電話機や防犯カメラ等をリースで販売する業者)の従業員から虚偽説明を受けて電話機や防犯カメラ等についてのリース契約を締結するよう執拗な勧誘を受け、これを信じて複数のリース契約を締結してしまったことによって各リース契約におけるリース料相当額から被告会社から振込み(キャッシュバック)を受けた額を控除した残額に相当する損害(約650万円)を受けたとして被告会社に対して使用者責任(民法715条1項)、被告会社の代表取締役に対して民法709条・会社法42・・・

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