クレサラ・生活再建協への発展

弁護士(大阪) 木村達也

 2008年9月、リーマンショックが世界を襲い、日本社会に貧困問題が顕在化し、弁護士、司法書士らは従前のクレサラ問題、消費者問題のみに取り組んでいるだけでは充分とは言えなくなった。また、私達こそ、多重債務問題の背景に貧困問題のあることをよく知っている唯一の団体であった。

 日本弁護士連合会も貧困問題対策本部を設置して、人権擁護の視点から貧困・格差問題について取り組み始めた。こうした動きもあって、クレサラ対協活動の中でも貧困問題への取組みが必要と認識され、以下の組織が次々と結成された。クレサラ対協は常に被害現場に目を向けて運動を続けて来たため、機を見るに敏であり、人権救済のためにはこれらの新組織が必要と考えたのであった。

⑴ 2007年6月 生活保護問題対策全国会議(代表 尾藤廣喜、事務局長 小久保哲郎、猪股正)

 目下、クレサラ生活再建協運動の中核的運動を支えているのはこの組織である。生活保護に対する言われなき偏見・差別と闘い、日本社会にあるべき生活保護制度を根付かせる闘いは良きリーダーを得て着々と進められている。また、本来のクレサラ運動のメンバーではない新しい運動層の拡大・・・・

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