消費生活センターをSDGsの発信基地へ

全国消費生活相談員協会東北支部 小島淳子

はじめに

 年間約7000件の相談を受け付ける消費生活センターで消費生活相談員として勤務している。センターに寄せられる相談は、点検商法などの古典的な消費者被害からIT関連の最先端の契約トラブルまで多種多様で、それぞれが社会の問題を反映している。最近は、ネット広告や詐欺的なメールがきっかけだったり、巣ごもり中の高齢者がターゲットとなったりと、新型コロナの影響と思われる相談が増加している。また、消費生活センターの窓口では「消費者市民社会」「エシカル消費」のポスターやパンフレットが掲示され、市民から寄せられた消費者川柳には、地産地消や環境問題に言及するメッセージが増加している。

 相談者の状況やセンターの業務は、SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標(ゴール)と重なる部分が多いと感じている。

 ここでは、消費者市民社会、エシカル消費、SDGsの内容を整理し、センターや相談員の関わり方について考えてみたい。

消費者市民社会とエシカル消費とSDGs

 「消費者市民社会」は、消費者一人一人が自分だけでなく内外の社会経済情勢や地球環境にまで思いを馳せて生活し、社会の発展と改・・・

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