電力の小売営業の業務委託先等における不適切な説明について

経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会事務局取引監視課 課長補佐 長窪芳史

電力小売の全面自由化

 電力の小売自由化は、平成12年3月以降段階的に実施され、平成28年4月には、家庭や商店向けの「低圧」区分も自由化された。これにより、一般の消費者も、電気料金の節約やCO2排出量の削減を目的として、小売電気事業者や料金メニューを自由に選択することが可能となった。他方、小売電気事業者の業務委託先や、いわゆる代理店による営業が広く行われるようになり、消費者トラブルも発生している。

 電力の小売に関し、平成31・令和1年に国民生活センター及び消費生活センター等に寄せられた相談件数は6029件であり、電力・ガス取引監視等委員会(電取委)相談窓口に寄せられた相談件数は1635件であるが、そのうちの多くが、業務委託先や代理店の営業に関するものである。また、電取委は、令和2年、電気及びガスの電話営業に関する事案について業務改善勧告を実施しているが、当該事案も、小売電気事業者の業務委託先が営業を行っていたものであった。

相談事例の分析

 相談事例の中で多く見られるのは、消費者が、小売電気事業者の業務委託先や代理店から訪問・・・

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