大阪地裁で歴史的勝訴─物価偽装をただす─(第7回)

フリーライター 白井康彦

 勝ちました。歴史的勝訴です。私も現場で関係者の皆さまと喜びを分かち合いました。2021年2月22日午後3時の大阪地裁。生活保護基準切下げの行政処分の取消しを求めた「いのちのとりで裁判」で、森鍵一裁判長が原告勝訴の判決を言い渡したのです。

 生活保護基準の裁判で、原告側が勝訴することはまれです。有名な朝日訴訟での東京地裁勝訴は1960年。生活扶助老齢加算の廃止の取消しを求めた生存権裁判で福岡高裁で勝訴したのが2010年。それ以来の勝訴です。生活保護基準の改定をめぐる裁判で原告側の勝訴が確定すると、国側はその対応で難行苦行を強いられます。それを避けようとする空気が裁判官の世界でも強いのか、原告側が連戦連敗でした。

 いのちのとりで裁判の地裁の第1号の判決は、2020年6月25日の名古屋地裁でした。原告側の多くの関係者が勝訴を予想していましたが、酷い内容の敗訴判決でした。名古屋市民である筆者も大ショックでした。原告側の関係者らは「いつ勝てるのだろう」という暗い気持ちを引きずって大阪地裁の第2号判決を迎えたわけです。その重い空気が一瞬で吹っ飛びました。大阪では明解な勝訴。政治や・・・

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