消費者委員会が現在取り組んでいるテーマ

消費者委員会委員長 山本隆司

 新型コロナウイルス感染症の地球規模でのまん延が、消費生活に大きく影響しています。消費者委員会は、これまでに引き続き、意見の発出等により、次のようなパンデミックに伴う消費者行政の課題に取り組んでまいります。

 第一は、非常時への対応という目前の課題です。平常時と異なる消費者の心理・生活様式、社会事象につけ込む悪質商法等への対策は、災害時に常に求められます。さらに今般は、需給バランスが大幅に崩れた必需品の市場の規整として、マスク等の高額転売の規制が行われました。感染症自体に因るのではなく、感染症への対策のためにキャンセルが行われる場合における契約関係の規律も、構造的な問題を含み、解決が求められています。

 第二に、パンデミックによりますます加速している消費生活のデジタル化に伴う課題が挙げられます。次のような技術的な可能性は、消費者にとって便益になるとともに、消費者の選択や行動可能性を制約するおそれがあります。すなわち、デジタル技術により消費者に対し迅速に大量の情報が容易に提供される可能性。幅広い主体がオンラインにより、場合によって匿名で情報をやり取りし、取引関係に入る可・・・

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