高砂市民は三度PCB処理に苦しむ
─製造量96%を製造したカネカ高砂工場の現場より─

兵庫県高砂市議 井奥まさき

広大なPCB汚泥盛り立て地が広がる高砂市

 兵庫県高砂市、人口9万前後33㎢の姫路市と加古川市に挟まれた小さな自治体です。

 その南部に28万3000㎥のPCB汚染土壌が埋め立てられている広大な盛り立て地が存在します。利活用事業としてエリア内に設置された「港の見える公園」という小さな公園があります。交流事業の一環としてその公園に立ったカネミ油症被害者の皆さんは絶句し、その後工場周辺を見学して広大な面積を持つ製造工場とあわせて強烈な印象を持って地域に帰られました。

 利便性から「夢の化学物質」と呼ばれたポリ塩化ビフェニール(PCB)が原因となり、カネミ倉庫が「カネミ油症事件」を引き起こしました。厚生労働省のHPには「カネミ油症」として、1968年西日本を中心に、広域にわたって発生した、ライスオイル(米ぬか油)による食中毒事件であること、事件の原因は、カネミ倉庫社製のライスオイル(米ぬか油)中に、鐘淵化学工業(現カネカ)社製カネクロールが混入していたことが原因であることが触れられています。この被害は当時摂取した方々、胎児にも被害は及んでいます。

 そのPCBの実に96%を製造した・・・

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