輸入食品に依存する食生活と輸入食品の安全性及び輸入検査体制の諸問題について

食ジャーナリスト 小倉正行

 TPP11や日EU経済連携協定や日米貿易協定が次々と締結され、まさにメガ輸入自由化の時代に突入し、私たちは、輸入食料にどっぷりと浸かって生活を営んでいる。カロリーベースの食料自給率は2019年発表分で37%(2018年)、2020年はつい先日発表されたが38%(2019年)。ほとんど誤差の範囲内である。北海道での小麦の生産が天候が良かっため増産となったからとのこと。構造的には変わっていない。日本は要するにカロリーベースで62〜63%は、輸入食料に依存しているという国になっている。それも食料自給率は下降の一方で、歯止めがない。先進国の中では、日本の食料自給率の低さは、際立っている。日本と同じような島国のイギリス、国土の狭さが似ているオランダなどが、日本より遥かに高い食料自給率を維持していることは、教訓的である。また、韓国は日本とほぼ同じ状況であるが、その背景に米韓FTAによる韓国農業の低迷が起因しているとされている。

1 輸入食料依存の実態

 日本における輸入食料の依存の実態(2019年)について見ていきたい。

 小麦製品(パン、麺、菓子、味噌、醤油など)は、需要量の9割・・・

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