日弁連・「公営住宅の連帯保証人・保証人に関する意見書」について

弁護士(千葉) 澤田仁史

1 意見書の趣旨

 日弁連は、2020年2月20日、「公営住宅の連帯保証人・保証人に関する意見書」を取りまとめた。

 この意見書は、公営住宅に入居を希望する際に連帯保証人・保証人(以下、連帯保証人等という)を求めている地方公共団体は、連帯保証人等を不要とする条例改正をすべきであると述べている。

2 公営住宅の機能及び現状

 公営住宅法1条は、「この法律は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする」と規定している。公営住宅は、民間の賃貸住宅に比して低廉な家賃が設定されていて、住宅に困窮する低額所得者であっても入居が可能となっており、いわゆる「住宅セーフティネット」の中核として機能している。

 この点、2018年1月に行われた総務省が実施した調査、同年8月に行われた日弁連のアンケート調査によると、調査したすべての地方公共団体において、住民が公営住宅に入居を希望する際に連帯保証人等を要求していた。

 しかし、住宅確保が・・・

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