機械式立体駐車場に関する消費者事故調査
─最近のマンション駐車場事故を考える─(平成26年7月18日公表)

消費者安全問題研究会 土庫澄子

 平成26年7月、消費者安全調査委員会は、機械式の立体駐車場で発生した事故について消費者安全法にもとづく事故調査報告書を公表した。報告書とその後の施策のあらましを紹介したい。最近、都内のマンション駐車場で事故が起きたとの報道があるので、この事故をめぐって若干の検討を付け加えたい。

1 調査の対象─6つの事故事例

 調査の対象は6件である。二段・多段方式の駐車装置で発生した事故が3件である。うち2件は同乗の幼児の事故で、1件は死亡事故である。エレベーター方式の駐車装置で発生した事故が3件である。3件とも死亡事故で、うち2件は同乗の幼児の事故であり、1件は被災者が駐車場の裏手から装置内に立ち入った事故である。全6件のうち4件は、マンションに付設する駐車装置で発生した。

2 分析

 報告書は6件について、事故につながる要因を分析する。主な要因として、二段・多段方式の駐車装置については、①ホールド・ツゥ・ラン制御装置(ボタンを押しているあいだだけ作動する)により操作者の挟まれ事故や巻き込まれ事故を防止でき、利用者の安全が図られているが、この制御装置では同乗する幼児の安全を確保す・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。