コロナ後の消費社会を考える

参議院議員(日本共産党) 大門実紀史

 9月16日に安倍政権を引き継いで発足した菅政権は、コロナ後の社会を見すえて、社会のデジタル化を目玉政策に掲げました。経済や市民生活のデジタル化の進展は、人びとに快適で便利なくらしをもたらす一方で、個人情報保護がおろそかにされ、国家や企業が情報によって人々を誘導する「監視社会」を招くおそれがあります。

 本稿では、デジタル化と消費社会の今後について考えたいと思います。

資本による監視と誘導─「監視資本主義」

 そもそも監視とはなにか。マルタ大学教授のジョセフ・ケナタッチ氏は次のように語っています。「(監視とは)不特定の人びとを対象として、その行動、会話、活動または通信に関して、国家が行う情報の集積、観察、盗聴のことである。国家は民間企業と言い換えることもできる」(自由人権協会シンポジウム「デジタル時代の監視とプライバシー」2017年10月1日、東京)。

 米ハーバード・ビジネス・スクールのショシャナ・ズボフ名誉教授は急成長するGAFAなどのビジネスモデルを「監視資本主義」と定義しました。彼女は2019年6月13日付の東京新聞のインタビューで「監視資本主義」について次・・・

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