生活保護裁判―物価偽装をただす―(第4回)

フリーライター 白井康彦

 予定どおりなら、2020年6月25日に名古屋地裁で生活保護裁判の判決が下ります。提訴から約6年。長い長い闘いの末の結果がどうなるのか、私だけでなく全国各地の多くの人が注目していると思います。生活保護基準を左右する重大な案件である上、同様の内容の訴訟が全国29地裁で係争中で名古屋が第1号判決となるからです。第2号判決はしばらく先になりそう。来年春ぐらいでしょうか。私の物価偽装意見書は20以上の地裁に提出されています。予想される名古屋高裁の訴訟と合わせ、私はずっと頑張るつもりです。

 名古屋地裁以外の訴訟では、物価の論点で、今年に入って被告側の新たな動きがありました。学者の意見書を裁判所に提出したのです。物価指数に非常に詳しい学者。「原告側が不利になるかも」と懸念する人もいるでしょうが、私の感覚では痛くも痒くもありません。

 これに対抗するための追加の物価偽装意見書の執筆依頼があったので、私はその執筆作業を進めています。「前の意見書の説明で足りなかったところも補充し、物価偽装のカラクリをさらに詳しく説明できる。絶好の機会」と考えています。

 被告側の学者意見書の内容を紹介する前・・・

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