電力の小売に関する消費生活相談の状況

独立行政法人国民生活センター相談情報部 井上竜一

 2016年4月に電力の小売全面自由化が始まり、小売事業に新規参入した事業者からの電気の供給が行われるようになった。一方、全国の消費生活センター等には、電力の小売に関する相談が多く寄せられている。

1 PIO-NET1にみる電力の小売に関する相談の概要

 全国の消費生活センター等に寄せられる電力の小売に関する相談件数は増加傾向にあり、2019年度の相談件数は6078件であった(図)。2015年度から2019年度までの5年間に寄せられた相談(1万5311件)を販売購入形態別にみると、6217件が電話勧誘販売によるもので、次いで訪問販売が5166件であった。

図 電力の小売に関する相談件数の推移

2 相談事例等

【事例1】大手電力会社から委託されて電気料金の集金をしていると名乗る事業者から電話があり、「電気料金が安くなるから契約先を変えないか」と言われた。契約先を変えるつもりはなかったが、話の流れで検針票のお客様番号や住所等を伝えたところ、「書類を送るので検討してほしい」と言われた。後日、電気料金の請求書が届いたため、事業者に確認したところ、契約が成立して・・・

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