「第40回全国クレサラ被害者交流集会in大阪」プレ・オンライン集会報告

実行委員会事務局長 司法書士 堀 泰夫

一 斎藤幸平大阪市立大大学院准教授による基調講演の概略

1 危機の時代。選択によって、未来が大きく変わる大分岐点に我々は立っている。気候危機は深刻化しており、パリ協定が守られるとしても3℃上昇する計算なので、気候変動対策としては話にならない。人類の使用した化石燃料の半分をこの30年間で使っている。

2 被害発生の不公平さ

 将来の世代は、自分たちの排出していない二酸化炭素の影響によって、生活が脅かされることになる。また、先進国の方が二酸化炭素排出は圧倒的に多いにもかかわらず、最初に犠牲になるのは、社会的弱者であり、グローバルサウスの人々である。気候危機は、資本主義の格差構造を根本的に是正することなしには解決できない。

3 これまで提案されている対策は無意味

 SDGsやCSR、ジオエンジニアリングやNET、リフレ、MMTの反緊縮、グリーンニューディール、グリーンリカバリーなどが提案されているが、結局はいままでどおりの生活を続けるための提案に過ぎず、気候危機は解決できない。技術楽観論では乗り越えられない。「豊かさ」の意味を再構成する必要がある。

4 本当の「豊かさ」と

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