2040年頃の消費者行政が目指すべき姿とその実現に向けた対応策等に関する意見
─地方消費者行政専門調査会報告書を受けて─

内閣府消費者委員会事務局 深谷祐人

1 問題意識

 地方消費者行政の充実・強化は、消費者政策の推進における最重要課題の一つである。今後、高齢化・デジタル化・グローバル化等の進展により、消費者問題の多様化・複雑化が見込まれるほか、足元では新型コロナウイルス感染症に関連した新たな消費者問題が発生するなど、地方消費者行政が対処すべき課題はますます増大している。

 その一方で、人口減少、少子化・高齢化等の人口構造の変化が加速し、2040年頃には高齢者人口がピークを迎えることが見込まれるなかで、消費者問題に対する地域の対応力の低下が懸念されている。

 このような問題意識の下、2040年頃の消費者行政が目指すべき姿とその実現に向けた対応策等について、消費者委員会地方消費者行政専門調査会において議論を行い、令和2年8月に地方消費者行政専門調査会報告書(以下、「報告書」)を公表した。消費者委員会は、報告書を受け、意見を発出した。

2 報告書の概要

 報告書では、議論の前提として、将来、①人口は減少し働き手も減少することから消費者行政職員数は減少する、②高齢化率は40%程度に達し超高齢化社会となる、③人口減少等から資源制約・・・

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