販売預託商法に終止符を打つために

弁護士(神奈川) 石戸谷  豊

はじめに

 消費者庁は、販売預託商法について原則禁止とする検討会報告書を受け、目下、通常国会への法案提出を目指して作業を進めている。消費者法ニュースは、これまでの経緯を順次掲載しているので、末尾の文献を参照されたい。

全国オンライン学習会

 2020年11月21日、「預託法の改正に向けた全国オンライン学習会〜二度と販売預託商法による被害者を出さないために〜」が開催された。発起人は、消費者庁「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」委員有志であり、全国から多数の参加があった。

 冒頭、検討会で委員長を務めた河上正二先生から挨拶をいただき、最初のパートで預託商法が繰り返し起こってきた背景などについて筆者から報告、次のパートで内閣府消費者委員会の委員に続き検討会委員も務めた池本誠司弁護士から検討会報告書について解説、最後のパートで筆者から検討会報告書とこれまでの各界からの意見との関係(整合性)と立法に際しての課題を解説した。以下、背景と立法の課題についての要旨を紹介する。

証券取引法と預託商法の源流

 戦前に施行されていた証券取引所法は廃止され、戦後新たに制定された・・・

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